太陽光発電の「撤去義務」が法律として整備される方向で進んでいるというニュースを目にして、
正直、遅すぎるくらいだな…というのが率直な感想でした。

今回の法改正は、大規模な事業用の太陽光設備が対象で、
あらかじめ撤去費用を積み立てておくことを義務づけるという内容。
老朽化後に放置されたままの設備や、災害時に環境被害をもたらすケースが増えてきたことが背景にあります。


こういった制度が整っていくのは必要なことだと思います。
でも本当に問いたいのは、
「設置する時点で、そこまで想像できていたのか?」ということなんです。

「電気代が下がりますよ」
「環境にやさしいですよ」
「儲かりますよ」
そんな言葉に安心して、撤去や廃棄のことまで自分ごととして考えられていたかというと、
実際は難しかった人も多いんじゃないでしょうか。

一般家庭でも、今すでに撤去・廃棄の時期を迎えているパネルが出始めています。
パネルは思った以上に重くて、屋根から下ろす作業も簡単じゃない。
処分費用もかかるし、リサイクルに回す仕組みも十分じゃないのが現状です。


そういう事実を前にしたとき、私は思うんです。
理解しきれないままの「選択」には、あとから必ず代償がくるって。

「自分の電気代」だけを考えるのではなく、
そのエネルギーがどこから来て、どこに戻っていくのか。
その流れの中に、ちゃんと責任を持てるかどうか——
今、そこが問われている気がします。


特に最近気になっているのが、釧路湿原のそばで進められていたメガソーラー計画です。
市長が「ノーモア メガソーラー宣言」を出して止めたことは大きなニュースになりましたが、
それ以上に問題なのは、そのソーラーが FIT制度の対象外だったということ。

つまり、撤去費用の積み立てや環境アセスメントの義務が一切なかった
国際的に重要な自然環境のすぐ近くで、ほぼ“フリーパス”のように進められていたという事実。
これはさすがに、危機感を持たざるを得ません。


誤解のないように言えば、NeNeは太陽光発電に反対しているわけではありません
私たちが目指しているのは、最終的に オフグリッドの暮らしです。
自然と共に生き、自立したエネルギー循環を持つ家づくりを、大切にしています。

でもそのためには、
「環境にいい」とされている技術が、本当にそうなのか。
自然の仕組みと矛盾していないか。
そういう問いを持ち続けることが必要なんじゃないかと思うんです。


今回の制度改正や、釧路のような現場で起きていることをきっかけにして、
一人ひとりがもう少し深く考えてみる。
そういうタイミングなんだと感じています。

— NeNeばあちゃん